高校時代も彼氏はいたけど、

真面目で奥手な人で手も繋がなかった。
放課後、駅まで一緒に帰るのが日課。

そんな恋愛だけだったから、
健吾との付き合いは新鮮だった。

キスもそれ以上も、私は健吾しか知らない。


そんな健吾から、思ってもみない言葉。


「なぁ、桃香。俺ら、そろそろじゃない?」

「…?そろそろって何が?」

「一緒に暮らさん?」

「!?」


プロポーズかと思ったら、同棲しようってことだったけど…

健吾の性格で中途半端な考えじゃないのはわかる。

結婚への準備段階…。



健吾しか知らない私。

もちろん、これからも健吾だけで、
健吾と生きて行くんだって信じてた。