「……」
「外でデートしたら、人混みだと怒るし、暑いとか寒いとか…
映画だって批判ばっかりで…俺が褒めた映画でも否定してさ…
文句ばっかりで、そのくせ買い物買い物って自分の用事ばっか。
正直、そんなデートこっちだって楽しくなくなるじゃん」
「……」
「お前…全然俺の話聞いてくれなくなったし。話すのはいつもお前。しかも愚痴」
「でも…私だって…ストレス…」
「恋人はストレスのはけ口?」
「そんな…」
「そんな時さ、天使みたいな笑顔する子に出逢ったら、そっちに惹かれるよ…」
そう言って誠くんは綾ちゃんをチラッと見た。
「そんなのいい訳じゃん!」
早苗さんが食い下がるように反論する。
「うん。そうだな。でも…俺は最終的にお前を見捨てれないって思った!」
「……」
「だから、綾子ちゃんへの恋心は封印しようとしたんだ!」
「……」

