私は、陸くんの存在をすっかり忘れてしまって…
ただただ…夢中で2人の後を着いて歩いていた。
時々、健吾を見上げる女の子。
それは、恋してる横顔。
そして、そんな彼女を見つめる優しい健吾の眼差しは、
会社の顔じゃない。
仕事中の顔には見えない。
私しか知らないはずだった、あの優しい眼差し…
私が見てることも知らない健吾は、
彼女の腰にそっと手を添えた。
まるで彼女を誘導するように…
そしてそのまま、2人は…
私の目の前で…ホテルへ…
仕事中の時間なのに…
白昼堂々と…ラブホテルという場所に吸い込まれて行ったんだ。