私と健吾が沈黙に包まれていたら… 「桃香…」 と私を呼ぶ声がした。 声のする方を見たら、 切なそうな顔をした陸くんが居た。 今の話…? 「…桃香…本当?赤ちゃんって本当?」 「……うん」 「…そっか」 「…監禁されてた時の…」 「……」 もう陸くんからの言葉はなかった。 うなだれるように帰って行った陸くん。 私は、その背中を見て… 陸くんとはもう終わりなんだって思った。 そして、そう思ったら… とめどなく…涙が溢れて零れ落ちた。 そんな私を、健吾はそっと支えるように抱き締めてくれた。