「…そっか。聞かれちゃった訳ね…」
「ごめんね。」
「いいよ。…でもさ、彼に会うって話だけど…」
「…うん」
「それは断ってくれないかな？」
「え…いいの？のんちゃんまだ彼氏さんのこと…」
のんちゃんは切なそうな顔をして笑った。
「…好きよ。でも…無理だよ。…彼が選んだのは、私じゃなかったんだもん」
今にも泣き出しそうな顔。
その顔を見ただけで、
切なくて、胸が苦しくなった。
「妊娠したからって、結局選んだのはその彼女の方だし…ダメになったから、
じゃコッチってのは違うと思うんだ…。だからね…もう無理だと思う…」
「……」
「それに自殺未遂したって聞いて、心配になっただけだよ…たぶん同情」
のんちゃんの笑顔は本当に切なくて消えちゃいそうだった…。
私は何も言えなかった。
選ばれなかったのんちゃんの気持ちがわかるから…。
