携帯を手にとって、電話をかけてみた。




受話器から聞こえる優しい陸くんの声。


何気ない会話に癒されて、とっても心地よかった。



「桃香、好きだよ」

「うん、私も陸くんが好き」

「今度の土曜日さ、デートしようよ」

「うん、したい!陸くんにすっごく会いたい!」

「クスクス、やっぱりかわいいな、桃香は(笑)」

「何で笑うの?本当に会いたいんだよぉ」

「うん、俺も会いたいよ。ギュッって抱きしめたい」

「……」

「今、照れたでしょ?マジかわいい♪」



陸くんの声にいちいちドキドキしてる。

本当に不思議。


健吾と付き合い始めも、ドキドキしてたけど、
こんな風に、甘い幸せなドキドキとは違った。

緊張っていうのかな…ただ嫌われないように、
変な風に思われないように、背伸びしてた。


今は、私らしく居られる。


年下の男の子なのに、

素直に甘えられてるかも…。


穏やかで幸せな恋愛ってこういうのなんだ。

健吾の時は、知らなかった幸福感。



この時、私は本当に幸せいっぱいだったんだ。