(・・・はぁ~・・・体ばっかり大きくなって、精神的に全然成長してないんだから。)


私は、バイクを見る。


私には、永遠に縁がない確信していたバイク。


実際、コウに会うまで、バイクなんて興味なしだった。


私は、コウのバイクに近づく。


至近距離までバイクに近づくと、私が思っていた以上に、バイクは大きかった。


「・・・ルミちゃん、乗ってみる?」


私の背中からコウが話しかけてきた。


「・・・早いの、これ?」


私は、振り返ってコウを見る。


「そりゃそうさ!乗ると周りの景色があっという間に通りすぎていくんだぜ。しかも、何か嫌なことも全部、風と一緒に通り抜けていく気がして・・・なんていうか、最高!って感じ。」


コウは興奮してまくしたてる。


「・・・いいね。それ。」


私は、少しコウがうらやましくなった。