「いや~状況説明したら、もの凄いため息つかれて、とりあえず、紅蓮の山下はひとりしかいないって言って、さっさと携帯きりやがって・・・・・・・・あぁあぁあ~!・・・ルミちゃんの言う山下って、もしかして・・・俺のこと?」


目を見開いた、もの凄い形相で私を見るコウ。


「・・・他にいないんでしょ、紅蓮の山下は。」


「・・・うん。・・・でも、・・・俺は、危ない奴じゃないし・・・・・・あっ、そうか、何かのなぞなぞだろ?」


私は、そんなコウに冷たい笑顔を向ける。


「そう、なぞなぞよ。答えは、山下コウでした。」


「な~んだ。やっぱり、俺じゃん。・・・ってオイ、俺のどこが危ない奴なんだよ。」


コウが私に詰め寄る。


「金髪、特攻服、爆音鳴らしたバイク、しかも、変な改造してあるし・・・」


「・・・ルミちゃん~。」


コウは私に責められ、今にも泣きそうな顔。


「もう・・・そんな顔して。」


(こんなところは、昔と変わんないんだから・・・)


私は、少しうれしくなった。


久しぶりの街で懐かしい光景が見られるのは、なんていうか、くすぐったいような、悪い気持ちはしなかった。