「そうね、確かに危ないかも。今も爆音鳴らした危なそうな暴走族に馴れ馴れしく話しかけられてるから。」
「えっ、本当？どこのどいつだよ。俺のルミちゃんに馴れ馴れしく話しかける奴なんて！」
コウは辺りを見渡す。
「・・・・」
私は、あきれた表情でコウを見る。
「ねぇ、ルミちゃん。どこの族の奴だった？」
「・・・紅蓮。」
「え～！俺の族かよ！クソ～！俺の許しもなく、俺のルミちゃんに話かけやがって！そいつ、名前言ってた？」
「・・・うん。言ってたよ。」
「なんて？俺がきっちり落とし前つけてやるよ！」
「山下。」
「山下だぁ～。くそ～・・・ちょっと待っててよ。」
コウは、ポケットから携帯電話を取り出すと誰かに電話をかけはじめた。
「・・・おう、俺だけど、ジュンか？・・・おう、それでさ、うちの族のメンバーで山下って奴いたっけ？・・・・ああ、え、いや、今、ルミをナンパしやがった奴が紅蓮の山下って奴みたいなんだ。・・・・え、状況？・・・それは・・・」
コウは必死に携帯電話で今の状況を説明している。
私は、そんなコウがどこまでいくのか見たくて、興味本位でコウの隣にいる。
「・・・えっ？何？意味がわかんないんだけど？・・・おい、・・・もしもし、ジュン？もしもし？・・・チッ、ジュンの奴、切りやがった。」
コウは、携帯電話を取り出したポケットに戻す。
「・・・で、ジュン、何て言ってたの？」
私は、コウにたずねた。
