「・・・なんだ、女か。」


私を冷たい目で見回した後、男は冷たく言い放つ。


ニャー・・・


その時、3匹の猫が私の足にジャレついてきた。


「・・・かわいい。」


男に冷たい目で見られていることも忘れて、思わず私は、つぶやく。


「・・・だろ?」


私の言葉に反応するように、男も先ほどまでの冷たい目とは違い、猫を優しい目で見ている。


「・・・ねぇ、私もそのクリームあげていい?」


私は、思い切って男に聞いてみる。


「・・・ああ。」


男は、手に持っていた箱を私に渡す。


箱は、先ほどまで私がいたケーキ屋の箱だった。


箱の中には、大量のクリームが入っている。


私は、中腰になって、足にまとわりついてくる猫にクリームをあげる。


「・・・おいしい?」


猫は私の問いには答えずに必死にクリームをなめている。