「バイバイ。」
私達は、ケーキ屋を出て別れた。
(結局、ケーキを食べただけ・・・まぁいいけど。)
元からあまり興味なかっただけに、私はイケメンにあえなかったことは、別にショックでもなんでもなかった。
ニャー・・・
「んっ?」
私は、公園の前を通りかかった時に猫の鳴き声を聞いて立ち止まる。
夕暮れの公園の中に入る。
公園の中は、今は一人の姿も見えない。
「どこで聞こえたんだろ?」
暗くなりかけた公園の中を猫の声を頼りに探す。
「どこかな~・・・あっ!」
公園の奥の物陰に猫が3匹、ひとりの男の前に集まっていた。
「これ、うまいだろ?」
男は、猫にクリームのようなものをあげていた。
3匹の猫は、おいしそうにそのクリームをなめている。
「・・・かわいい。」
猫を見て、思わず声をこぼす。
「誰だ!」
猫に餌を与えていた男が、私の声で私に気づき、振り返りながら立ち上がる。
立ち上がってわかったけど、その男は、コウと同じくらい長身だった。
そして、その髪にはシルバーのメッシュが薄暗い公園の中で輝いていた。


