不思議の国のアイツ -暴走族総長純情伝-



「ちょっと、今から、行く気?」



私は、急なコウの行動に驚いて尋ねた。



「えっ。そうだけど、何か問題あるの?」



「あるわよ。もう、夜だし、そもそも、マイの家、知ってるの?」



「うん。1回だけだけど、家の近くまで行ったことある。」



「・・・マイのお父さん・・警察官僚よ?・・コウ、暴走族でしょ?・・・大丈夫なの?」



「・・・あっ、そうだった。」



コウは、困ったような表情になった。



どうやら、コウは、マイの父親のことを忘れていたらしい。



「だから、今日は、やめときなさいよ。」



パンッ!



コウは、私の言葉には、耳を貸さずに、何か思いついたように手を叩く。



「そうだ。ルミちゃんが、一緒に来てくれればいいんだよ。俺、外で待っておくから、ルミちゃんが、海堂を呼び出してくれれば、今日、ちゃんと謝れるだろ?さあ、行こう!」



コウは、私がついて行くのは当然とばかりに、私の手を掴み、引っ張る。



「ちょ、ちょっと、待ってよ、コウ。」



私は、コウに抵抗するが、コウの引っ張る力は、とても強かった。



コウは、ズルズルと私を玄関まで無理やり引っ張っていく。