「・・・まぁ~・・・それは、もういいとして・・・・私、御薗 綾。アヤって呼んで。」



アヤは、タバコを持っていない手を私に差し出してきた。



「・・・私は、柴崎ルミ。ルミでいいよ。」



私も手を差し出し、アヤと握手する。



「・・・ところで、それ?」



「えっ?あっこれ?・・・大丈夫だよ。私、タバコ吸わないから。」



アヤは、私を笑顔で見る。



「・・・それじゃ、何で?」



「・・・私、このマルボロ・・・あっ、このタバコの銘柄ね。このマルボロの匂いが好きなんだ・・・落ち着くっていうか・・・・・・ルミも匂ってみる?」



アヤが、タバコを持っている手を私に差し出す。



私は、興味本位で少しそのタバコの匂いを嗅いでみた。



「・・・・?」



私は、どこかで嗅いだことがあるような気がした。