「誰!」
女の子が、私に気づき、起き上がる。
「あっ、あの・・・」
思わず口ごもる私。
「・・・どこかで見たような・・・・・あっ、今朝、マイと一緒にいた子でしょ?」
女の子は、意外にも機嫌よさそうに話しかけてきた。
「うん。・・・あなたは、あのベンツから降りてきてた・・・」
「はぁ~・・・嫌なところ見られちゃったね・・・」
女の子は私の言葉に、少し悲しそうな顔をする。
「嫌なところ?」
「・・・だってそうでしょ。あんな趣味悪い黒塗りの車を校門の前につけて通ってるなんて・・・カッコ悪いったらありゃしない。」
「・・・そう?」
私には、何が悪いのか理解できなかった。
どちらかといえば、羨ましいくらい。


