テスト返しも一段落したころ、席替えが行われることになった。一人ずつクジを引いていき、書かれた番号の場所に移動する。

「ゆかちん何番だった?」

「7番だよ!!あー彩花と離れちゃったねえ」

「じゃあ移動はじめてくださーい!!」

隣誰かなーっとワクワクしながら見てみると……、

「げっ」

関わりたくない女子ナンバーワンの、西田桃の姿があった。

「もうっ。そんな嫌そうな顔しないでよ〜」

「べ、別に嫌じゃないヨ……ヨロシク」

棒読みでそう言い、席に着く。ふと、亮の姿を探してしまっている自分に気付いた。当たり前に後ろにいてくれた亮は、もういない。

亮の姿は、私の席と対称的に離れた向こう側にあった。その距離は、まるで今の私達を模したかのように、遠かった。