こ、これは完全に外してしまった……。こんなイモ子が明るく楽しい、そしてほんのり甘酸っぱい高校☆ライフを送ることが出来るのだろうか。

「まあまだ初日だし、なんとかなるよね」

私はそう自分に言い聞かせ、コミュニケーションを取りつつあるクラスメート達を尻目に重い足取りで家路へと着いたのであった。

私は高校に対して過度の期待を抱いていた。中学時代があまりパッとしておらず、友達はそれなりにいたが、恋愛とは無縁な生活を送っていたので(好きな人はいたが友達間でその話題はタブーだった)全ての青春をこの高校にかけていたのである。

――高校デビューしてやる!!

私は密かにそう心に決めたのだ。

しかし私は余りにもお洒落に関して無知だった為、具体的に何をすればいいのかわからなかった。とりあえず痩せてやると決意しダイエットに励んだが、4キロ痩せた体重も入学式前にはきっちりリバウンドしてしまった。

そんなこんなで、微妙なコンディションで高校ライフはスタートを切ったのである。