体育祭当日。空は文句ないくらいの快晴である。

「あっゆかちん、おっす!!」

「お、おはよっ」

教室に着くと、亮は既にノリノリで鉢巻きを巻いていた。

楽しみに、してたのかなあ。

種目が決まってから今日までの一週間、亮は残って走りのトレーニングをしていた。自主トレってやつだ。たまに他の子も混じってやったりしてたけど、毎日続けていたのは亮だけだった。

おちゃらけているようにみえるけど、本当は努力家なんだなって、思った。凄いよ、亮は。あんなに頑張ってたんだから、今日は絶対絶対、誰にも負けないよ。

「あ、そういえばゆかちん、毎年凄まじいバトルが繰り広げられていると有名な女綱引きに出んだって!?」

「う、うん。一応」

「マジか!!応援してっから頑張れよ!!」

「……ははっ。あ、ありがと」

朝から亮の激励は嬉しいけど、なんか複雑。