「よし彩花!!うちらで力合わせて、女綱引き優勝に導いてやろうぜ!!」
「はあ?何急に燃えちゃってんだよ」
ノリわりぃ……。
まあでも、体育祭に一つ楽しみが出来たかも。
好きな人が出来ると、なんでもない日常が、少しだけ華やぐ。そういえば期待外れで灰色だと思った高校生活も、亮に恋をしてから、少しだけ明るくなったんだ。
学校に通うのが、楽しくなったの。
亮が笑ったりふざけたりしてるだけで、私の心も、温かくなるんだよ。亮は、気付いてないだろうけど。
私は友達とじゃれあっている亮を見て、かすかに微笑んだ。
「……体育祭、頑張るぞ」
――この時の私には、自分が大変な事態を引き起こすことになるなど、思いもよらなかったのであった。