「…ひかりってたまに鈍感だよな、普段落ちついて大人っぽいけど。」
「は?意味分からんし。」
あたしの言葉にレオが続ける。
「マリカは多分俺らいないほうがいいだろ?あいつとデートみたいでさ。」
意外なレオの言葉に、あたしはびっくりした。
だって、レオってそんな気使えるヤツだったっけ?
むしろ2人の仲なんて邪魔して、自分が好きな女を手に入れるってタイプじゃない?
間違っても身を引くタイプだとは思えない。
「アンタが気使うなんて、どーしちゃったワケ?マリカのこと好きなんでしょ?」
「まぁ好きだからー、好きなヤツが好きな男と結ばれんなら、応援とかしちゃってみよっかなぁなんて思ってみたり?」
少しおどけてそう言ったレオの瞳は、少し悲しそうに笑ってみせた。
それだけマリカのこと本気なんだと思うと、胸が痛む。
ありえない…
「ばっかじゃないの?」
「バカかもなぁ。ってか人生で最初で最後の失恋ってヤツ?味わっとくわ。」
「…すげー自信。」
「まぁなー、だってオレってかっけぇし?んとマリカぐらいだよ、オレに落ちねーのなんて。しかもあんな普通のヤツとるなんてさぁ、どー考えても有り得ないっしょ。」
レオのこのオレ様な発言も、今は許せてしまうから不思議だ。

