『…あやまらないで。マイクだけが悪いわけじゃないもの。あたしが、弱いだけなの。彼を愛してるのに、寂しさ埋める為にマイクを利用して…だから気にしないで。あたしの為に、苦しまないで。顔あげて、ね?』

僕を見つめる彼女の顔は、今までに見たことがないぐらい穏やかだった。

『…涙は、あなたがいなくなるまでとっておくから。最後にあたしから、コレ。受け取って?』

『え?コレ…探しモノってもしかして。』

『そう、コレ。どーしても最後に形に残るモノを渡したかったの。そしたらずっと、マイクの心の隅ぐらいには居れる気がして…あなたの想い人の影に隠れながらね☆』


リズは全てお見通しだったってわけか。

当然か、僕の想いは生徒でさえ気づいてしまうぐらいなんだから。

リズがくれた包みを開けると、そこには星空が輝くロンドンの街の置物があった。

『あなたの想い人が真っ青な青空なら、あたしは星の輝く夜空かな☆なんて、バカよね、あたし///』

照れて笑うリズを、僕はもう一度強く抱きしめた。

『…ありがとう。最高の夜空だよ、君みたいにキレイだ。』

そして僕達は、最後の熱い熱いキスを交わした。

もう二度と、触れることのないであろう柔らかい唇の感触を、いつまでも覚えていられるように…