「幸歩。」 先生に呼ばれて、顔を見ると私に何か言いたそうな表情をしながら、見つめている。 「なんですか…?」 首を傾げながら聞くと、 「幸歩に食べさせてもらいたいな…。」 は? 「だって、さっき言ったろ?“昨日の分まで甘えたい”って。」 そうだったっけ…? 「でっ…でも、今ちゃんとスプーンを持って飲んでいたじゃないですか。」 スプーンを見ると、先生はテーブルの上に静かに置いた。