先生にキス〈4〉


「幸歩。」


先生に呼ばれて、顔を見ると私に何か言いたそうな表情をしながら、見つめている。


「なんですか…?」


首を傾げながら聞くと、



「幸歩に食べさせてもらいたいな…。」


は?


「だって、さっき言ったろ?“昨日の分まで甘えたい”って。」


そうだったっけ…?



「でっ…でも、今ちゃんとスプーンを持って飲んでいたじゃないですか。」


スプーンを見ると、先生はテーブルの上に静かに置いた。