先生にキス〈4〉


先生の言う通り、5分ほど走っていくと、右隣に大きなスーパーが見えてきた。

地図をずっと見ていたのに、私ってば、こんなに大きいスーパーがある場所を見逃すなんて…。


駐車場に到着し、車から降りると先生が“念のため”と言って帽子をフワッと被せてくれた。


この帽子…前に桜デートをした時の帽子だ…。


あの時、私…うっかりして先生の車の中に忘れて帰っちゃったんだよね…。



先生が人目を気にする私を気遣って買ってくれた帽子なのに…。