ハントウメイ



ふと携帯を見る。

画面を開く。


授業が終わるまで後、5分。



「もう直ぐ授業終わるよ。」


コンクリートに寝そべる彼にそう告げる


「結構、あっというまなもんなんだね。」

ん?

「玲と話していると時間が早く感じるよ」


何を言ってるの。


「…玲さ、屋上また来る?」

彼が私に視線を向けて聞いてくる。




「…うん。来たい」


いたいよ。ここに、この空間に。


「じゃぁ明日も昼あそこに居て」



「いいの?」



「いいよ。玲は違うから」






「他の女子みたいに媚びるような事いわないし、しない」


………。


「まぁ、それだけじゃないけど。なんか玲は違うんだよ、他の奴らとは。」


「わかんない。」


「わかんなくていいと思う。」



「よくないよ」


…………。

よくない。

何が他の子と違うのか教えてよ。




「ふっ。」


…?


「玲は特別だよ」



そういって彼は微笑んで体を起こす。