ハントウメイ



「…玲と会う時いつも回りが静かになるんだよ。なにも聞こえなくなる。」

「………。」

「やっぱり不思議だ」


そう。

私も何も聞こえなくなる。

あれはたまたまあの状況だったからなのかもしれない。

だけど、何かそんなんじゃなくて

理屈なんかじゃない何かがそう感じさせる



「そうだね。」




「てゆうかさ、かなり今更なんだけど授業サボっちゃったね」

「あぁ、うん。いんじゃない?別に」

「そっか。……玲ってさ、あんまり学校こない人?」

「え?」

「いやー、あんまり見掛けないから」


そんな言い方やめてよ。


「まぁ、そうかな。…蓮こそ、学校よく休むんでしょ?」

「まぁね。何で知ってんの?」

「隣のクラスの子が今日教えてくれた」


………あ、言い方が変だ。


「教えてくれた。って、もしかして俺の事聞いたりした?」

…………!


「違う!ちょっと朝の事で呼び出されただけ。それで誰かが言ってるの聞いたの。だから聞いたとか違うんだからね。」


「ははっ。わかってるよ」



わかってるって……

もう。


「やっぱ、からかってる。」

聞こえないくらいの声でそうはく。

「え?」


はぁ。


「何でもない。」