ﾊﾝﾄｳﾒｲ

知りたい表情？



私、どんな顔で君を見ていたんだろう。



｢違った？｣

彼は聞く。




違うっていえば嘘になるだけど素直に言えるはずがない。

｢…別に。｣


そんな私に彼は笑った。



やっぱり女なれしてる？

なんか私、からかわれたかも。



｢意味を言えないって、何かあるって言ってるようなもんじゃん。知りたい表情をしていたらしい私に教えないのにさ、そうゆう言い方。ズルい…｣

そう。

ズルいよ。

だけど君が言うまでもなく、そんなの君の表情でわかってしまう私がいるんだよ。


だからこんな風に言ってごまかすの。



｢うん。だよね、ごめん。いつもは絶対に話す事はありえないんだけどさ、何でだろうね。玲だからかな？｣


また、


｢…からかってる？｣



｢そう聞こえる？｣


｢……うん｣



｢ならごめん。けど、からかってない。｣



…………。


そう言った彼の表情はまた悲しくて



｢…うん。別にわかるよ｣



彼の表情は余裕に見えるのに……


不安な瞳。





｢良かった。｣




うん。