ハントウメイ




彼の顔を見ると触れたい衝動にかられた


手を伸ばして、触れようとする。


すると気付いた彼がこっちを見る。

目が合う。



手を引っ込めると

「ん?どうした?」

優しく彼は私に問い掛ける。



ねぇ、蓮。

知ってる?


色を持たない瞳どうし合わさると写るものは、はっきり写る相手の顔。ただそれだけ。




私は首を横に振る。








「蓮の言ってる事、よく解んないや」


私はそうはいた。



「そうだよね。理解できないよね」


蓮…違うよ?


「違うよ。理解できないもなにも、言葉の意味が解らないだけ。」
「え?」


「さっきの言葉の意味が私には解読不能だったって事。」

そうまったく解らない。


だって君の事よく知らないもの。

その言葉の意味に悲しく辛い事があるのはわかったんだよ。


すると

「そっか、そうだよね」

彼は笑う。



「そうだよ、かなり言葉不足。」



「だね。…でも……」



ん?


「ごめん。それしか言えないや。理由は意味は言えない。」




謝らないで




「別に謝る必要ないと思うんだけど。」


「それもそうだね、だけど玲が知りたいような表情だったから」