「……そう、君が気になったっていう藤崎玲はこんなんだけど?」
そう言ってのける私に
「……うん。」
それだけ彼は返事をする。
「佐々木…蓮?」
「え?」
「蓮の苗字だよね?佐々木って」
「あぁ、うん。知ってたんだ。」
「まぁ、蓮こそ有名だからね。」
「……まぁね。」
そうあっさり認めてしまう彼は自然できっと嫌な返事だろ言葉なのに、彼の表情でそんな不快な気持ちは一切しなかった。
「そこ認めちゃうんだ。」
「…玲と同じ理由でね。」
同じ理由。
そっか、そうだよね。
こんなのいちいち謙虚に否定なんてめんどくさいもの。
「…そっ。」
「うん」
隣のクラスの女子の集団の言葉を思いだした。
「女子と関わらないって聞いた。」
少しの沈黙の後、そう私が口を開きはじめる。
「…あぁ」
「だから、あっち系の噂もたってたみたいね。」
「…あれか。」
「見掛けが良いのに、迫られても遊ばない。そんな硬派な佐々木蓮。」
「なにそれ?」
彼が笑う。
「噂をまとめてみただけ。それに変わってるのは蓮もって事になるでしょ?」
「そうなるみたいだね。」
だけど、
「本当に女子には興味ないわけじゃないでしょ?」
そう男子ならありえない。
