ハントウメイ



ははっ。


「これも、まただ。」
小声でそうはく私に、

「え?」
聞き取れなかった様子の彼の声が反ってくる


「…んん、…てゆうか屋上の鍵あけれんの?」

「まぁ一応」

そう言って鍵を私に見せる。



何で持ってるのよ。




そして私は彼から目を反らし扉を見つめた


「屋上に行こうと思ったの。

だけど開かなくて。

開かないと分かったら余計に外に出たくなって、扉を開いて飛び出したくなって

…だけど開かないもんは開かないからさ。諦めてここに座ってたの。」


「……そっか、玲は一人でここにいたの?」


「うん、そっちこそ。」


蓮は一人だった?


「まぁ。」


そう。
やっぱりね。

「……屋上には蓮以外に誰もいなかったわけ?」


「うん、俺一人だけど」


「そっか、羨ましい。」
そう私が言うと


「屋上、出る?」
彼は言った。



「………うん。」