ハントウメイ





どうして蓮が屋上に?


彼の手には鍵が握られていた。
おそらく、屋上の鍵だろう。




…蓮



…蓮だ。


さっき思い出してたあの蓮だ。


朝に会ったのにもう懐かしくかんじた。



「…玲」


彼が私の名前を呼ぶ。


「……。」
私は黙って、彼の瞳を見つめる。

彼もまた私の瞳を離さない。




まただこの感覚。

時が



とまる。











「…玲」

彼が再び私を呼ぶ。


「…蓮。」



なんでか急に恥ずかしくなった。

彼から瞳を反らそうとすると


「まただね、」

そう言った彼に捕らえられた。



また、


そうだね。


だけど私の気持ちとは違うかな。


「…だね。」


「うん。時が止まった。」



…あぁ、同じだったんだ。


「…う、ん。」


「てゆうより、ここで何してんの?授業始まるよ。」




あれ?私、ダルいからもうちょっと休もうと思って…

だけど今は…


って、朝もこんなんじゃなかったけ私。


すっかり治ってる。