「…また、」
ん?
「また、時間が止まったみたいだった」
え?
「ははっ。やっぱ不思議だわ。」
(時間が止まったみたい。)
私もそう思ったんだよ
回りは静かでこの空間には君と私の二人しかいないんじゃないかってくらい、不思議な感覚だったんだ。
「…うん。…ううん、わかんないや。」
でも
「わかるかも。」
素直に言えない。
「そっか。」
…そっか。ね。
そう話してると教室の前につく。
「じゃ。」
彼はそう言って片手を軽く挙げる。
私が頷いて返事をするのを見ると教室へ消えていった。
どうしてだろう。
彼と別れるのを淋しく感じるのは。
どうしてだろう。
もう会えないような感覚になるのは。
時折みせる、彼の悲しい瞳が頭から離れないんだ
