「哀れみの目で俺を見るなっ!」
「落ち着けよ澪斗ー。メッキがボロボロハゲまくって素が出てんぞー」
「うっ……」
にっこりと笑った那津を一瞥し、ゆっくりと深呼吸をする。
落ち着け俺。
兄貴と正反対なんて褒め言葉じゃないか。
兄貴みたいになりたくなくて模範生徒をやってきた俺には喜ばしいことだ。
「……いいんだよ。俺はこれで」
あくまでも好きで優秀な模範生徒をやってるんだ。
……童貞でいるんだ。
兄貴みたいに寄って来る女子に片っ端から手を付けるなんて……。
「それは開き直りなの? それとも男前だからってえり好みしてるの? 大城くんの癖に」
「うっわぁ……。これだから男前のナルシストは質が悪いんだよねぇ」
「んなこと言ってないだろっ」
「まぁまぁまぁ澪斗」
君原妹のしれっと顔に乙部の思い込み炸裂に若干イライラくるものがある。
どう考えても君原妹はワザと言ってるとしか思えない。
現に今もこっち見て「あら図星?」って言いながらニヤりと嫌味に笑ってきた。

