俺が拒絶されたのが、恥ずかしいからって理由であれば……。
きっと俺は、嫌われてなんてないんだよな?
そう思ったら軽くなった胸が急に跳ね上がって、
「ぇっ!!」
「あらら」
目の前にある寿梨の両手をギュッと握り締めていた。
いきなりの行動に目を見張る那津が、すぐさまニヤニヤと俺を見たけど関係ない。
驚いて目を見開いた寿梨は、沸騰しそうに真っ赤っかになったけど……昨日みたく手を振り切られるコトはなかった。
良かった!
やっぱり、嫌われてたワケじゃない!
感極まって寿梨をガン見してた俺の視界に、
「あっ。もう来てる……んっ?」
乙部と君原兄妹が現れて……固まった。
寿梨の手を握り締めた俺に、真っ赤っかで沸騰しそうな寿梨。
俺たちの真横で目をまん丸にする会長と乙部の傍らで、
「迫ってる」
冷たく凍り付いた無表情の君原妹の声が再び、俺に性犯罪者一歩手前のレッテルを貼り付けた。