こうなったら一刻も早く話題を転換して、俺を性犯罪者一歩手前の人間を見るようなこの空気を一層してしまいたい。
「ほ、ほら。いいからさっさと練習しよ。時間がもったいないし」
言うなり那津に肩を抱かれていた寿梨の手を取って、ダンスを申し込む最初のシーンの練習に入ろうとした時だった。
「っっ!!??」
俺が指先を掴んだ途端、寿梨は物凄い勢いでそれを振り払って後ろに後退。
あまりに強烈であからさまな拒絶反応に傍観していた三人に加えて、あの那津ですら目を丸くしてこちらを凝視していた。
…………なん、で?
昨日は手を引いたって大丈夫だったのになんで……?
ダサ子の癖に……っていうか、マジでなんで?
頭の中が目の前で俺から一切視線を外した寿梨のオドオドした態度と、無数のなんでに埋め尽くされた。
どんなに頑張っても、十八番の愛想笑いも今ばかりは出そうに無い。

