「……大城くん、すごく人気者だし……わたしが、足引っ張らないか不安で……」
風にかき消されてしまいそうな程、小さな声で呟かれた言葉にトクンと胸の奥が跳ねた。
俺が初対面で脅してしまったから……。
……俺が自分の身を守りたいが為に脅したしわ寄せが、こんな形で出ていたなんて思いもしなかった。
頭の中がモヤモヤして、言い知れない苛立ちに変わっていく。
だったら断れば良かっんだよ。
プレッシャーや恐怖を感じてまでヒロインなんかしなければ良いのに。
自分勝手な苛立ちの矛先が寿梨に向いた時、
「でも、役に立ちたくて……。紅莉ちゃんも飛鳥くんも困ってて……、きっと大城くんも、猿渡くんも困ってるから」
こう言って顔を上げた寿梨の顔は、いつものキョドキョドして不安そうなのが嘘みたく真剣で……。
「そう。……なら、頑張って。わたしも手伝うわ」
優しく笑いかけた君原妹に、音楽室で見た同じ笑顔で嬉しそうに笑い返してた。

