結局。
今日はここまでにしようって乙部の提案で、話し合いはお開きになった。
ようやく解放されて那津と一緒に廊下に出た瞬間大きく伸びをする。
那津は隣でマヌケ面して大欠伸だ。
「まさか、昨日脅した相手に庇われるとは思わなかったよねー。ねっ? 澪斗きゅん?」
欠伸で出た涙を袖口で擦り、にんまりと笑った顔をこっちに近付けてくるのが鬱陶しくてムカついた。
手のひらで思い切りぐいって押しのけてやる。
「うっせー。だいたいおまえが余計なコト言うからだろ」
「だって事実じゃーん。おまえ周りなんてぜーんぜん眼中にねーじゃん。だから童貞なの」
「関係ねーし」
「それに引き換え……健気だったよねージュリエットちゃん。おまえが困った顔してたから助けたんだぜ? 感謝しなよ」
感謝するくらいだったら、少しでも困った顔を出してしまった自分を恨むね。
感謝なんて……やっぱり恥ずかしいから。

