男子、恋をする


だから今の俺に出来る精一杯の誠意を見せようと思う。


「…………」


傍らで俺を見上げていた君原妹の方に体を向けて座り直す。



「あの……俺」


昨日の昨日まで寿梨が好きだって思い込んでた俺だ。
俺も好きだとはとてもじゃないけど言えない。


「失恋したからとかそんなの理由にしたくないけど……」


でも告白もキスも嫌じゃなかったとか……そんなことヘタレた童貞の俺が言うには勇気が要るワケで。


けど、軽々しい気持ちで返事しちゃダメってのはわかるから。


「正面切ってちゃんと好きって言えるように……善処します」


今はこれだけ、ちゃんと伝えとこうと思った。


ていうかこれで許して欲しいというか……。

恋愛初心者マークの俺にはこの返事が精一杯の誠意なんだ。


「……良かった」


「えっ?」


顔を寄せた君原妹がコツンと額を重ねて鼻先をすり合わせる。


それが妙に恥ずかしくてくすぐったい。