男子、恋をする


「……大城くんが好きだから」


「ッッ!!」


そっと離れた唇からこぼれ落ちた言葉は、あの凶悪ポーカーフェイスから発っせられたとは思えない可愛い甘い声をしていた。


真っ赤になった俺の顔を窺うようにじっと見上げている。


「寿梨みたいに女の子らしくないけど、わたしは素の大城 澪斗が好き」


「っ!!」


「わたしはずっと大城くんを見てたわ」


ポーカーフェイスが崩れ、必死に訴える頬がゆっくりと薄桃色に染まっていった。


な、なんだよそんな顔!


いつもは食えないポーカーフェイスの癖に反則だろそんな……恥ずかしそうな顔は!


……そんな顔されたせいか。
コイツを苦手だって思ってたのが嘘みたいに消えていく。


何も言えずにいる俺に焦れたのか。


「好きでも無い人に胸を触らせたりしないんだら」


「ぅっ!!」


キッパリと言い切った君原妹の眼差しが鋭くなる。
心底嘘じゃないって訴えるみたいに……。


今までのミーハーな女子たちが俺の上っ面に向けたモノとは違う。


素の大城 澪斗に向けられた好きが切れ長の二重の瞳から溢れだしてる。