「わたしも賛成! 寿梨ならいつも一緒に居てるから守ってあげられるし! ねっ、鮎花?」
「……守るのは守るけど」
「だったら大丈夫だって!」
俺の祈りを大きく外し、乙部だけは何故かノリノリで那津の意見に賛同し始めた。
相変わらず会長の表情は険しいけど、鮎花の方は乙部にジワジワと押されてるようにも見える。
寿梨の向かいに居た那津も味方を得て顔色が更にイキイキしてるし……。
……この流れ、すげぇまずい。
「周りが勝手に盛り上がるな。寿梨自身の意見が最優先だ」
那津と乙部のおかげで押せ押せムードが広がり始めた空気を、会長の鋭い声がピタリと止ませてしまう。
さすがというか……すごい迫力。
愛想笑いが十八番の俺には真似出来ないね。
その迫力満点の眼光の先には、当事者の癖に縮こまって小さくなってる寿梨が居た。
「でも、会長だってヒロインが決まらないって頭抱えてたじゃん! ここ最近ずっと」
「家でも愚痴ってたわね」
当事者の寿梨が口を開くより早く両脇の乙部と鮎花が会長に反論し始めて、当の寿梨はますます困ったように会長を見上げてる。

