「なにやってんだよ! おまえら!」


「なにやってんだよは大城くんの方でしょ! さっさと鮎花に渡しなよ!」


「そーだそーだ! そのまま部屋に押し倒しちゃうくらいしてみろよ!」


怯んでる俺を焚き付けようと吠えるバカコンビに思わず絶句してしまう。


いきなり押し倒すって何考えてんだコイツらは!?


「だ、誰が!? お、押し倒すワケねぇだろ! ふざけんな!」


売り言葉に買い言葉で思わず那津に言い返したのが運の尽きだった……。


勢いのまま返した瞬間、背後からのカチャリという音で全身に冷や汗がダクダクと流れた。


ヤバイヤバイヤバイ!!
こんなところでこんなこと言ったりしたら……。


「悪かったわね。押し倒す魅力も無くて」


「っ!?」


恐る恐るゆっくりと振り返った先では、扉の隙間からこちらを睨みつけるポーカーフェイスが居て、


「ちがっ! そういう意味じゃ!」


俺の言い訳にもサンドイッチにも見向きもしないで部屋に戻って行ってしまった。