男子、恋をする


勢い任せに出て来たはイイけど、こんなの渡したら余計に怒らせるんじゃ……。


“わたしにこんな得体の知れないモノを渡してくるなんてどういうつもり? 嫌がらせ?”


なんて不機嫌なポーカーフェイスで言われたら……。


そう思ったら扉を目前にして、右手のサンドイッチを見下ろしながらつい足が竦んでしまった。


……やっぱり綺麗に整えてから来るべきだったか。


廊下のど真ん中で立ち往生したままこう思い直した俺は、


「……仕方ない、出直すか」


サンドイッチを綺麗に整え直すべく調理室に引き返そうと身を翻した。


その瞬間。


「こらー!! なに怖じけづいてんだよヘタレ!!」


「鮎花に渡すんでしょ! さっさとノックしなさいよ!」


「ゲッ!?」


廊下の曲がり角から飛び出して来たKYバカコンビがアホみたいにデカイ声で喚き出した。


なんてコトだ!
調理室で邪魔して来なかったと思ったらこんなところで……。


サンドイッチ片手に立ち尽くす俺に颯爽と立ちはだかったバカコンビに思わず身構えた。