なんで気付かないかな俺……。
くそぉ……コイツらに諭されるなんてなんたる不覚だ。
思わず自分の情けなさに前髪をおにぎりを持ってない方の手でくしゃりと掻いた。
目を瞑って深い溜め息をつく。
そしたらおにぎりを差し出した瞬間の、君原妹のパッと明るくなった表情を思い出す。
あれ……俺からだったら喜んでたのかな、アイツ。
「……なぁ。米ってまだある?」
「えっ? 何するの?」
「……自分で作る。おにぎり」
多分腹が減ってんのは辛いだろうし。
夕食に来なかった原因が俺にもあるってなら、まぁ責任を感じなくはない。
なんて自分に言い訳をしながら、意を決して発した俺の提案にバカコンビは驚いたように顔を見合わせ、
「よく言った澪斗!!」
「善は急げ! 早く早く!」
まるで水を得た魚のように勢い良く乙部が俺の腕を引き、那津が背中をグイグイと押しながら調理室に向かって走り出した。

