そう思ったらなんか胸の奥の方がキューッと締め付けられる感覚がした。
今まで模範生 大城 澪斗に向けられてきた好意とは違う。
俺の上っ面に沸き立つ羨望の眼差しじゃない。
ヘタレ童貞な自分で言うのも情けない俺に、らしくない努力してまで向けてくれる好意。
こんなの初めてでどうしたらいいのか……。
君原妹のことを考えて戸惑い再び。
……完全に俺は口を噤んでしまう。
「なのにジュリエットちゃんが作ったおにぎりをホイホイ持っていくなんて……鬼だな」
「な、なんで鬼なんだよ! 俺はお腹が空いてるだろうから良かれと思って……」
「鮎花のことを苦手だって言った大城くんがわざわざ寿梨が作ったモノを寿梨に頼まれて持って来た……。渡された鮎花はどう思うかな」
「……それは」
バカコンビが珍しく正論で俺を諭し、正面と隣から挟み撃ちで留めを刺してきた。
「寿梨のお願いだから苦手なわたしにおにぎりを持って来たんだって、鮎花じゃなくても思うよ」
そこでようやく気付く。
君原妹の不機嫌の理由に。
なんでおにぎりを俺に突き返して来たのかも今ならすんなり納得だ。

