その顔が嬉しそうに見えたのは……よほどお腹が空いてたからだろうか。


やっぱりコイツも人の子だったんだな。
おにぎりをもらったくらいで嬉しそうな顔するなんて……。


おにぎりを受け取った君原妹の顔を見下ろしながらきっかけを与えてくれた寿梨に感謝した。


「これ大城くんが？」


「いや、寿梨が持って行ってやってって作ってくれた……」


「…………」


あれ……？
なんか顔色が急に元のポーカーフェイスに戻ってしまった。


ていうか、むしろムッとしたようなピリピリとしたオーラまで漂ってるし……。


「要らないわ」


「えっ、なんで……」


「大城くんが食べればいいじゃない」


如何にも不機嫌オーラ全開の君原妹がおにぎりを俺に突き返してくる。


今のやりとりの何処に機嫌を損ねる原因があったっていうんだ！？