つーか、ホントはもっと前から気付いてんだよな。
寿梨が会長のことばっかり見てんのとか……。
わかってたのに知らんぷりして臭いものに蓋してたんだ。
つくづくヘタレてんな、俺……。
情けなくて泣けてくる。
女子たちが使ってる部屋に向かう道中、そんなことを考えながら思わず自嘲してた。
「……変な顔」
「っ!?」
突然傍らから聞こえた声で俺は飛び上がる程ビビッた。
ビックリの反動で手の中のおにぎりを危うく落としそうになる。
部屋に辿り着く手前でいつの間にか現れた君原妹に思い切り不審な目を向けられていた。
「いや……これを渡そうと思って」
「えっ?」
「夕食、摂ってないだろ」
「あ……」
不審そうな目つきの君原妹に気を取り直して持っていたおにぎりを差し出した。
それを見たポーカーフェイスの顔色がパッと変わる。
まだほのかに温かいアルミホイル越しの熱を、君原妹の少しヒンヤリした指先に乗せた。

