「キミ寿梨ちゃんって言うんだー。俺猿渡 那津ね。あっちは言わずと知れた大城 澪斗だよ」
ますますキョトン顔になっていく周りに構わず、よろしく~なんて言いながら寿梨の手を握って振り回す。
「あ、え、江藤 寿梨です……」
「えとーじゅり…………おー! ジュリエットじゃん!」
何が嬉しいのか一人興奮しまくりの那津が、こう叫びながら更に腕を高速でブンブンと振りまくる。
すっかり那津のペースに乗せられて、思いっ切り戸惑ってる寿梨はわたわたと三つ編みを揺らしながら那津を見上げるばかり。
……哀れだ。
「那津。いい加減に……」
とりあえず昨日のコトは置いといて。
那津ペースでされるがままの寿梨を解放すべく、パイプ椅子から立ち上がった。
すると、
「そーだ! ヒロイン役、ジュリエットちゃんにしたら?」
「えっ!!??」
悪気無い笑顔であっけらかんと言い放った那津の言葉で、今度はその場に居た全員の顔が凍った。
那津よ……ちょっとおイタが過ぎるんじゃないか?
言えないのを我慢して、とりあえず脳内で那津をぶん殴っといた。
勿論全然スッキリしない。

