「あ、あの……」
「……あっ」
食堂の出口で壁に向かってうなだれる俺の背中に恐る恐る声がかかった。
吃ったような小さな声の主を間違うはずがない。
すぐさま振り返った俺の目には案の定、ハの字眉毛でこちらを見上げる寿梨が居た。
しかも珍しく眼鏡を外してるときたもんだから不意打ちでドキッとさせられる。
「あの……大城くんに、お願いが、あります」
「なに?」
珍しく寿梨から声をかけられたのに、今日ばかりは素直には喜べなかった。
どうしたって君原妹のことが頭から離れないんだから仕方ない……。
とにかく今は寿梨に集中だ。
体中の精神エネルギーを目の前の寿梨に注ぐ。
「これ……おにぎり作ったんです」
「えっ!」
そう言って差し出した手にはアルミホイルに包まれた塊があり、俺の心臓を盛大にドキドキさせた。
まさかこれは……差し入れってヤツか!?

