そんなこと言われたって俺の気持ちは寿梨に向いてるんだ。
いくら周りに言われたって俺はこの気持ちを譲る気なんてない。
これ以上コイツらと居ても同じことを言われて堂々巡りするだけだ。
少し落ち着いた場所で自分の気持ちを整理したい。
そんな気分だった。
安物のパイプ椅子から立ち上がり、独りになれる場所を求めて食堂の出口へと向かう。
「あっ! 逃げるな卑怯者!」
「童貞!」
「だから関係ねぇって言ってんだろ!」
無言で去るつもりが条件反射でバカ那津の捨て台詞にツッコんでしまった。
……俺のバカ。
食堂の出口を出てすぐの壁に手をついて深く反省。
そして改めて思うこと。
俺の気持ちは寿梨だ。
……保健室で見た寿梨の笑顔を見てたいんだ。
今日一日で君原妹の情報をパンパンに詰め込まれた脳みそに打ち立てた揺るがない決意。
……そのはずだった。

