「あーあー。ヘタレ澪斗のせいで鮎花姐はひきこもっちゃうし……UNOどころじゃないなー」


「…………」


夕食にカレーを食べた後。
片付けを終えた食堂では俺が律儀にも持参したUNOをバカ那津が広げて神経衰弱をしている。


わざわざ当てつけがましく言い放った呟きに思わずカードをめくる手が止まった。


……んなこと言われたって。
俺だってまだなんか頭の中が不安定だし。


結局、君原妹が現れなかったせいで後半の練習はほとんど身が入らなかった。
今だって夕食にも現れなかったし……。


こんなあからさまな態度を取られたら誰だって嫌でも気になってしまう。


「大城を責めないでやってくれ。鮎花にも反省すべき点はある」


カードに手を伸ばしたまんま固まった俺に、神経衰弱に付き合っていた会長がフォローするように口を挟む。


君原妹じゃないけど……会長って案外妹バカなんだな。


フォローをありがたいと思う反面でそんなことを考える俺って罰当たりなヤツだ。