男子、恋をする


寿梨と会長の練習をこれ以上させてたまるか。


その一心で体育館に向かう足が、


「………………」


一度だけ止まって無意識に後ろを振り返っていた。



保健室の磨りガラスに映る影はさっきから動いてない。
……見えないその表情が今どんな顔をしてるのか。


どうせいつものポーカーフェイスだろって思ってる片隅で、何故かそれを否定するもう一人の自分がいた。