殴ったところでこの兄貴が止めるワケもなく、
「どんなに雰囲気壊したくなくても絶対付けなきゃダメだぞー。セーフティーセックス無くして愛は成り立たないからな」
「わっ!! 何開けてんだよ!!」
一週間で7人の女の子を回してる奴とは思えないもっともらしい御託を並べながら、サクサクと切り離したコンドームの一つを慣れた手つきで開けはじめた。
自慢じゃないけどお目にかかるのは、中学の時に那津が風船みたいにして追いかけて来たとき以来だ。
「先っちょに空気が入らんように摘みながら……おい澪斗、そこの卒業証書入れてる筒貸せ」
「嫌に決まってんだろ!!」
「ははは謙虚だなー。サイズが違うって? 練習だから良いんだよ」
「そういう意味じゃねぇよ! 俺の3年間を汚すなって言ってるんだよ!」
机の横に立てかけてた卒業証書入れを指差した指をへし折っても、100人中101人が俺の味方をしてくれる気がする……。
全力で否定する俺に何故かやれやれって溜め息をついた兄貴が、その隣に立てかけてた丸めた日本地図を手に取った。

